第166回国会 衆議院 厚生労働委員会 2007年06月13日
次に、内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。
前半を社会保障協定について、あと、後半を一連の年金問題についてお尋ねしたいと思います。
社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案について、包括実施特例法の制定後、海外にある日本企業に現地採用された日本人はどのような扱いになるのか、まずお尋ねをしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の現地採用の日本人につきましては、一般に、就労地国のみの社会保障法令の適用を受けており、その国の保険期間のみを有しているという扱いであろうと思います。
一方、今の御質問にありました点をもう少し敷衍いたしますと、そうであれば、この協定との関係でどういう接点があるのかというお尋ねではないかと思いますので、その現地採用の日本人の方が、その後、日本に戻り、日本の年金制度に加入するという事態になりました際、日本における保険期間を有したということでございますので、日本における保険期間と、その前までおられた当該国のもとで適用されていた保険期間と、今回のこの法律も含めてでございますが、社会保障協定と相まって、両国の保険期間の通算という法的な効果を発揮して、それぞれの国の最低加入期間を満たすことを通じて、両国の年金をそれぞれ受給することができるようになる、こういう接点になるのではないかというふうに考えます。
○内山委員 それでは次に、海外で現地採用の日本人の従業員の配偶者の年金はどのような扱いになりますか、お尋ねをしたいと思います。
○渡辺政府参考人 現地採用の日本人被用者の配偶者につきまして、相手国の法令のみが適用され、日本の法令の適用はないということになりますが、この配偶者が二十以上であって、日本国内に住所を有しないという要件でございますので、現在、国民年金法にあります任意加入をするということが可能でございます。
○内山委員 それでは、次に、日本国内で日本企業に勤める外国人が日本の厚生年金保険の被保険者となっている、その場合にその配偶者というのは国民年金保険法の第三号被保険者ということに取り扱われると思いますけれども、その配偶者が帰国したときに、その配偶者はどのような年金を受けるのか、例えば老齢基礎年金というような形になるんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
○渡辺政府参考人 申し上げます。
海外から日本にいらして被用者として働いておられる方、日本国内で短期間の就労ということですと、社会保障協定上、一時派遣の規定に該当することがあり得るわけでございます。そうした場合には、原則として、その被用者の配偶者につきましては日本国の法令の適用が免除されることとなり、国民年金の被保険者というふうには自動的にはなりません。が、希望により加入が認められているという状況でございます。したがいまして、それに基づいて、日本国の国民年金の負担と給付という関係になろうかと存じます。
○内山委員 長期になりますと、これはどうなるんですか。
○渡辺政府参考人 御質問の趣旨は、そもそも、その一時派遣者が長期になった場合ということであろうかと思います。
そういたしますと、はなからは一時派遣者ということを予定していたのだけれども、最初はそういうことを予定していたのだけれども、事情により長くなったという場合には、一定の手続を経て、一時派遣の取り扱いが延長されるということが社会保障協定上認められておりますので、そういうふうに、長くなった場合には長くなったなりに先ほど申し上げた関係になろうかと思います。
○内山委員 次に、包括実施特例法制定後、配偶者加給年金の支給要件についてお尋ねをしたいと思います。
例えば、支給要件として、厚生年金加入期間二十年というところで発生をいたしますけれども、この扱いはどのような形になりますでしょうか、お尋ねをします。そして、海外での外国保険加入期間はどのように取り扱うのか、お尋ねをしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
日本の被用者年金制度の期間だけで配偶者加給の加算の要件、委員御指摘の二十年ということを満たせない場合でございますが、老齢年金と同様、協定の相手国期間を通算することによって二十年の要件を満たした場合には、配偶者加給が支給されることになります。
なお、協定を適用して初めて加給の要件を満たした者の加給年金額につきましては、老齢年金同様、国内において被用者年金制度に加入していた期間のみを算定の根拠とするとの考え方に立ちますので、加算の要件である二十年に対する、実際に加入した日本の被用者年金制度の比率を配偶者加給年金額に乗じて得た額を支給することとしております。逆に申しますと、相手国期間というのは、配偶者加給の資格を得る期間としてカウントされるのみということでございます。
○内山委員 そうしますと、加給年金は、今ですと大体年間四十万円近くになりますけれども、この金額が、六十五歳になりますと振りかえ加算となりますけれども、その振りかえ加算、かなり低額ということになりますでしょうかね、どうでしょうか。
○渡辺政府参考人 おっしゃるように、六十五歳のところで振りかえ加算というルールがあるわけでございますが、これも、この配偶者加給年金額というものと平行移動するものと考えておりますので、その分小さくなるのかというお尋ねでございますが、関係の算式は同じであろうというふうに思います。
○内山委員 続きまして、年金の受給資格についてお尋ねをしたいと思います。
厚生年金の加入期間ですと、全加入期間で二十年、中高齢特例ですと十五年から十九年という状況になっているかと思いますけれども、外国での海外保険加入期間、これをどのように扱うのか、中高齢特例または受給資格の二十年というところを教えていただきたいと思います。
○渡辺政府参考人 御指摘のとおり、年金制度が未成熟な時期の被保険者であった一定年齢以上の方、例えば昭和二十二年四月一日以前に生まれた方につきましては、二十五年より短い期間で老齢給付を受給することができるという中高年齢特例があるわけでございます。
社会保障協定により日本の年金制度の保険期間とみなされる協定相手国の保険期間は、この特例の適用に当たっても同様に取り扱われる二十五年の要件のみならず、この短縮された特例の要件を満たすためにも、協定相手国の年金制度の保険期間を日本の年金制度の保険期間とみなして通算して、そうした特例の扱いが発動される、こういうものであると思います。
なお、先ほどと同様でございますが、実際に給付される額につきましては、実際に日本の年金制度に加入した期間に基づいて、計算式に当てはめ、計算されることになるということでございます。
○内山委員 それでは再度、ちょっと確認をいたしますけれども、四十歳以降の中高齢特例、男性ですと四十歳以降十五年、女性ですと三十五歳以降十五年ですけれども、この十五年の中には、日本の保険、厚生年金に加入した期間と海外の、外国保険加入期間と合わせて、例えば十五年でいいという判断でよろしいんでしょうか、確認をします。
○渡辺政府参考人 先ほど少し長々申し上げて失礼申し上げました。
今御指摘のとおりでございます。
○内山委員 それでは、年金の話に話題をかえていきたいと思います。
皆さんのところに資料をお配りしております。ごらんいただきたいと思います。パネルをつくってまいりました。
この資料、厚生労働省が自民党に提出をした五年超遡及に係る件について質問をいたします。
週刊ポストの記事が報じております、「老齢基礎年金・老齢厚生年金にかかる五年超遡及新規裁定件数・金額」という表でございます。この資料、週刊ポストの記事によりますと、平成十六年の年金改正法を議論している二〇〇四年二月六日、厚生労働省から、自民党の総務会の際に一部の議員に配付された資料であると。当時幹事長でありました安倍晋三さんもごらんになっているというような形で記事が載っておりますけれども、この資料、どのような内容なのか、詳しく御説明をまずいただきたいと思います。お願いします。
○渡辺政府参考人 今配付を受けましたこの資料でございますが、年金の新規裁定件数の中で五年を超えた遡及がある、そういう事案が何%あるのか。
例えば平成十五年でいう全体の新規裁定件数、百七十六万余りの件数に対して、当該五年超遡及裁定件数は二万一千件余りである、割合にして一・二%である、こういうことが書かれております。また、五年超遡及裁定における平均時効消滅金額が百三十三万円であり、その裁定における総時効消滅金額が二百九十億円であるというふうに書いてございます。
なお、週刊誌の記事につきましては、そのような記述があることは承知いたしましたが、当時の与党の総務会においてこれが配付され、議論されたという事実関係はなかったのではないかというふうに承知しております。
○内山委員 この資料というのは、厚生労働省がおつくりになっている資料でしょうか、確認をいたします。
○渡辺政府参考人 お答えいたします。
この日付はきょうの日付でございますので、こういう日付の入っていない資料でございますが、当該資料は、三年前に私どもの方で調製をいたしまして、お求めのあったところにお届けした資料であるということでございます。
○内山委員 この資料を皆さんもお手元でごらんいただければと思うんですけれども、実は平成十五年のときの新規裁定の件数が百七十六万四千三百三件、このうち、五年を超えて遡及する裁定請求の件数が二万一千七百五十六件、割合にしますと全体の数の一・二%が遡及している。そして、一人頭の、一件当たりの時効になる平均金額が百三十三万円、平成十五年でいきますと、何と総額が二百九十億円になっている。これは大変な額だなと思うわけでありまして、この二百九十億円、とてつもない金額になっておりますけれども、今回、自民党が提案をしております時効特例でこの人たちは救済されるんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
週刊誌に報道のあった、そして今提出いただいております、当時私どもの役所で調製した資料でございますが、この中身には、新規裁定者のうち、御本人の何らかの事情で請求がおくれたことにより、五年を超えて時効により消滅した金額をすべて取りまとめたものであるというふうに考えております。
なお、参議院において御審議を賜っております議員提案によります時効特例法案の所要給付額が九百五十億円というふうに記されておりますが、当該時効特例法案は、いわゆる記録の訂正に基づく時効の扱いについて、自動消滅をさせなくて、受給をしていただくとした場合の所要額について、既存の、これまでの記録訂正による時効というものを、実績を推計いたしまして、そして求められたものと承知しておりますので、この資料におけるさまざまな数値とは、前提となっている、時効を超えたことにより消滅した金額というものの意味合いが違っているものと考えております。
○内山委員 長い答弁でありましたけれども、的を得ておりませんで、もう一度確認をさせていただきますけれども、要は、今の資料の人たちは時効特例で救済をされますかということを端的にお答えいただきたいんですが。
○渡辺政府参考人 議員提案の法案でございますので、私どもが確定的な立法意思を述べる立場にはございませんが、法案の題名及び趣旨等からいたしまして、記録訂正を伴わず、単に請求がおくれたために時効が完成していた者については、今回の特例法案の対象とされていないものと理解をしております。
○内山委員 そうなんですよ。時効特例法の附則の第二条というところには、記録の訂正をした方だけが救済をされる、国年法の十四条、厚年法の二十八条、この部分の訂正をされた方だけが対象となって、ここにありますのは、単なる請求漏れ、請求のタイミングが遅くなった、こういう方たちは一切救済されないんですよ。
大臣、ちょっとお聞きいただきたいんですが、ここの、五年間の時効になりました金額、これを見てみますと、平成十五年では二百九十億、平成十四年では二百九十八億、十三年では二百五十七億、十二年では百六十一億、十一年では百四十九億、合わせて千百五十五億円、時効で給付を受けることができない。大変な問題だろうと思うんですよ。
今回、与党の議員が議員提案をしました時効撤廃が二十五万人に対して九百五十億、これをこの五年間だけでもう超えちゃっているじゃないですか。こういう人たちに対して、大臣、どういうふうに思われますか。大臣の率直なお考えをお尋ねしたいと思います。
○柳澤国務大臣 今回議員の皆さんが御提案されたものと申しますのは、これは、今回私どもが大きな問題として直面しております年金の記録の問題、この問題に端を発したという経緯があることはもう既に御案内のとおりでございます。
そして、記録の訂正が、調査の結果行われた。それにもかかわらず、遡及できるのは五年限りで、それ以上は遡及できない、こういう会計法の規定を適用しないということをしているものでございまして、我々が直面している年金記録、これについて社会保険庁の側にもいろいろ不手際というものがあるということをたくさんの先生方から指摘をされて、我々もそのとおりだということで反省しているわけですけれども、今回のこの時効不適用の法案というものは、そうした事態に対応する法案であるということでございます。
○内山委員 十六年の年金改正法のときには、もう厚生労働省から自民党の方に渡って、説明を受けていた。こういう被害者が出ているということは知っていたわけじゃないですか。知っていたにもかかわらず、今回記録の訂正をした方だけが対象となる、しかもそれは二十五万人しかいない。むしろ、こういうところの方が救済をすべきなんじゃないですか。
本来もらえる年金が、請求手続が遅くなってしまった、それでなぜ五年しかさかのぼれないんだろうか。いかに会計法の適用が当てはめられるからといっても、少し前までは、年金を受給されるときに何ら国からの通知は行っていないんですよ。あなたが年金をもらえますよという通知を国が送るようになったのはつい最近じゃないですか。
国からの何の連絡もしていない状況において、会計法の適用をして、さかのぼることができない。何か非常に疑問を感じるんですけれども、大臣、いかがですか。そこら辺、もう一度答弁いただけませんでしょうか。
○柳澤国務大臣 もう重ねて申し上げるほかないんですけれども、要するに、今回の時効に関する会計法の特例と申しますのは、やはり年金記録問題、この問題について我々が取り組む、その取り組みの中から生まれてきたというものでございまして、そういう取り組みの中で、消滅時効というものをこの記録の訂正についてだけは適用すべきでない、こういう御判断があったものと考えております。
○内山委員 なぜ記録の訂正にこだわるんですか。もうこういう被害者が出ているじゃないですか。これは非常におかしいんですよ。本来自分がもらえる年金手続を遅延してしまった、そういう人を何で五年で打ち切ってしまうんですか。本来、受給資格が発生したところまではさかのぼって払うべきじゃないですか。
私は常々、この件というのは、現役開業社会保険労務士として、遡及が五年しかできない、不思議だな、なぜこういう仕組みなんだろうかと。でも、改めて考えますとやはりおかしいですよ。払うもの、自分が納めてきたんですから、当然、手続が遅くなったって、さかのぼって、五年という壁を設けずに払うべきなんですよ。(発言する者あり)いや、そうとは言えませんね、やはり自分の納めた記録なんですから。そこで五年という形で、国が払わない。
お尋ねをしますけれども、この総額、たったの五年間で千百五十五億円ですよ。これは相当、さかのぼったら、国が払わなくて済んでいる金額……(発言する者あり)そういう金額をぜひ知りたいなと思うんです。うがって考えると、そういう金額があるからこそ無駄な施設をつくったんじゃないんですか。保険給付に充てる必要がないと思って、こういう時効の部分はもうけとしてつくったんじゃないんですか。私はそんなふうに今思いますよ。
大臣、お尋ねをしたいんですけれども、五年間の数字が出せるということは、過去にさかのぼって、資料として、時効になった総額、出せると思うんです、ぜひ出していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○渡辺政府参考人 今御要請のありました、もっとさかのぼっての資料があるか、今手元にそれが、確実に計算してできるという材料はございませんが、御要請に対して極力努力したいと思っております。
○内山委員 前回、また前々回の委員会の質疑でも、この時効特例のときに、再裁定をした、そしてさかのぼって払わなければならない人たちのデータが出せるかと私は聞いています。そのとき、出せないという回答がたしかありました。しかし、こんな数値がもう平成十六年のときに出せるんじゃないですか。あの十六年の年金改正法というのは、大変な議論をしたわけじゃないですか。なぜこういうものを広く公開しないんですか。ここは非常に、我々、何度も言いますけれども、野党の議員も国民の負託を受けて国会に来ているんですよ。ばかにしちゃいけませんよ。我々をばかにするということは国民をばかにすることですよ。きちっと資料を出してください。
時効特例の法案の中身についてお尋ねをしたいと思います。
時効廃止特例の附則の第二条の、記録の訂正というところが書いてあります。厚生年金保険法の二十八条、国年法の十四条というところでありますけれども、具体的に何をどのように訂正をしたら記録の訂正というのか、一度答弁をいただきたいと思います。お願いをいたします。
○渡辺政府参考人 お答えを申し上げます。
今御指摘の時効の特例法案において、記録の訂正という文言は、附則の二条だけではなく、本則の第一条、二条にも出てまいりますが、記録の訂正とは、裁定または裁定の訂正に結びつくもの、すなわち、年金の受給要件や年金額に影響を与える記録の訂正を含む広い趣旨であるものと理解しております。
被保険者資格の取得、喪失の年月日、標準報酬や保険料の納付状況の訂正、こういうことや、生年月日の訂正等によりそれまで年金受給権に結びついていなかった記録が受給権者本人のものと確認され、年金額が増額される場合の記録の訂正などが含まれるものと考えております。
○内山委員 具体的に、実務的なところをお尋ねしたいと思うんですが、今現在、厚生年金基金に加入されている方で基金の請求漏れという方が結構いらっしゃいます。厚生年金基金に加入をされていて基金の請求漏れをしている。
例えば、新たに厚生年金の加入期間が見つかった、そして、それを含めて、既裁定者でありますと、再裁定ということを行えば当然記録の訂正を行ったと判断できるわけでありますけれども、厚生年金基金の加入員であった者は、代行部分、この代行部分も五年の時効というのを超えて遡及して年金が払われるのか、お尋ねをしたいと思います。
○渡辺政府参考人 少々紛らわしい話になるかもしれませんが、厚生年金基金の加入員の給付、これは厚生年金基金が政府管掌の保険者ではございませんので、いわゆるその給付に関する債権の位置づけというのは民法に基づくものとなります。したがいまして、民法に基づく五年の時効はありますが、厚生年金基金の判断により、時効を援用せず、時効期間経過後においても給付を行うことが可能である、こういうふうに解されます。
一言で言えば、会計法の規定は国の債権債務についての縛りであるというふうに理解をしております。
○内山委員 具体的に、代行部分の五年部分というのはもらえるのかというふうにお答えをいただきたいと思います。
○渡辺政府参考人 厚生年金基金の給付には、代行部分と上乗せ部分、両方含まれますので、当然今申し上げたとおりでございます。
○内山委員 それでは、あと数問、同じように、具体的に基金絡みでお尋ねをしたいと思います。
厚生年金基金の加入はわからなくて老齢厚生をもらっている既裁定者というのは、女性に特にあります。昔、数年とか数カ月とか勤めていて、本体の厚生年金も請求されていないということであります。基金の加入をわからず、厚生年金基金に対し裁定請求を行っていなかった。改めて厚生年金基金の裁定請求を行う。これはやはり、本体の期間もわかるわけでありますから、当然これも再裁定というふうに考えて、本体の厚生年金が訂正になりますから、さかのぼりの支給が受けられるというふうに考えていいでしょうか。
○渡辺政府参考人 今回の社会保険庁による年金記録の訂正に関連いたしまして、御指摘のように、厚生年金基金の給付との兼ね合いが出てくる方がいらっしゃいます。
各厚生年金基金の加入者や受給者の給付、さらに代行返上した厚生年金基金の加入者や受給者の給付に影響がある、その可能性があるということを踏まえますと、今回の記録訂正の内容につきましては、各厚生年金基金に対しまして、社会保険庁からの的確な情報提供が必要であり、それを踏まえて給付の復元ないし再裁定、こういうようなことが発生し得る、こういうふうに考えております。
○内山委員 裁定請求者で既に年金を受給されている、厚生年金基金加入者で厚生年金基金の請求漏れになっている、老齢厚生の裁定請求は行っています、ただし、昔勤めた厚生年金基金の加入期間が未請求である、こういうものは、社会保険庁の方ではデータ上把握できるんでしょうか。いいですか、お尋ねをしたいと思います。
○櫻田委員長 政府参考人は渡辺年金局長のみでございます。
渡辺年金局長。
○渡辺政府参考人 少し勘違いいたしまして、失礼いたしました。
社会保険庁から御答弁申し上げる話かと思いましたので失礼いたしましたが、社会保険庁におきましても、今御指摘のようなケースを含め、個別の事例について、その年金記録、厚生年金基金との関係、これは把握できるというふうに承知をしております。
○内山委員 そうしましたら、早速、それはすぐ厚生年金基金の請求漏れの人たちに対して注意を喚起していただきたい、こう思うのであります。
大変な数の方たちが、厚生年金基金というのを請求することすらわからない。厚生年金の本体だけ請求すれば、もうそれで終わってしまう。基金というのは別途に裁定請求書をつくって請求しなければならないという知識を持っていないんですよ。そういう人たちに対して、大至急通知をしていただいて、その人たちは厚生年金の本体の期間も未請求で残っているかもしれません、再裁定に該当する方になるかもしれません。早急に連絡をしていただきたい、こうお願いを申し上げますが、いかがでしょうか。
○渡辺政府参考人 御指摘のとおりでありますので、早急に注意喚起をさせていただきたいと思います。
○内山委員 それでは、ちょっと話題をかえまして、被保険者記録の三億口の年金記録のことからお尋ねしたいと思います。
当初、平成九年のときに、三億口の年金記録がありました。そして、一億口に基礎年金番号を付与し、二億口を十年間で、一億五千万口を統合した、そして、現在五千万口が残っている、こういう発表でございます。
この十年間の統合の推移というのは、柳澤大臣は、年度ごとの、時系列的に、何年に幾つ統合していったかということを、他の委員会で、参議院の方でしょうか、数字は把握できていないというような答弁をされたというふうに聞いております。
私が事務的に確認をいたしますと、被保険者記録を統合していくということは、何番の番号と何番の番号を一緒に合わせて何番の番号にした、社会保険事務所でこういう記録が残っているはずでありますから、社会保険事務所別で記録がとれるはずだろうと思います。そうすると、どういう経緯で五千万口まで減っていったのか、この記録はとれるはずだと思いますけれども、できるようでありましたら資料を出していただきたいんですが、いかがでしょうか。大臣か、どなたか。
○柳澤国務大臣 これは、今委員御自身も私の答弁を引用していただいているわけですけれども、いずれにしても、膨大な記録ということでございますので、コンピューターの中でできるかどうかということであろうと思います。
いずれにいたしましても、現時点でそのような記録をいたしているということは遺憾ながらございません。
○内山委員 ですから、今後、社会保険事務所ごとに、この番号とこの番号を統一してこの番号になった、そういう記録がとれるはずですよね。ですから、そのデータをお示ししていただきたい、こういうふうに資料で出していただきたい、こうお願いをしたいんですけれども。
○柳澤国務大臣 委員の御関心も、私として理解できないわけではないですけれども、私ども、これから先、将来に向けて、もう少ししっかりした管理のためのデータを通常のコンピューターのシステムの中から常に資料として抽出できるように、そういうプログラムを今考えているところでございます。
しかしながら、これは項目が多くなればそれだけ時間もかかる、プログラミングに時間を要するということも聞いておりますので、他方、私ども、突き合わせを急ぐということの中で、その兼ね合いをどの辺にとるかということについて今検討をいたしております。
そういうことを考えますと、今の委員のお話につきましては、大変申しわけないんですが、今後のこととしては、私どもそうしたことも取り組まなきゃならないかということはありますが、もう少し私どもの検討にゆだねていただきたいんですが、そういったことについて優先順位を高くとるということはなかなか困難である、このように申し上げざるを得ないわけでございます。
〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕
○内山委員 それでは、そのデータを、今すぐにとは言いませんけれども、ぜひおとりをいただきたいな、こうお願い申し上げます。
ここのところ、例えばこういう問題が大きくなりまして、やはり社会保険事務所にいろいろな方が行かれていると思うんですが、ここで、名寄せとか、五千万件のデータの中から基礎年金番号に統合された、こういった実績が出ているでしょうか。当面、例えば一週間とか、直近で、あればお話をいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 私ども、五千九十五万というものが十八年六月一日現在にあったわけですが、それが十九年四月一日で四千九百四十九万件になった。したがって、十カ月間で約百四十六万件の統合が行われたということを残高比較で見ているわけでございますが、いずれにいたしましても、これ自身もまたコマンドをかけてやっているという状況でございますので、ここ一週間の統合件数を今ここで明示するということは、大変申しわけないと思いますが、できかねるわけでございます。
○内山委員 時間が大分少なくなってきましたので、飛ばしてお尋ねをしたいと思います。
先ほども他の議員も聞かれておりましたけれども、ねんきんあんしんダイヤルについてお尋ねをしたいと思います。
新聞記事に、やっぱりつながらないねんきんあんしんダイヤル、何度かけても、しばらく待ってからおかけ直しくださいの繰り返しでは、安心どころか不安が増すばかりと新聞が書いています。二十四時間体制で行うフリーダイヤルの電話相談にはどのような知識レベルを持った方が対応されているのか、ぜひお尋ねをしたいと思います。
〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○柳澤国務大臣 ねんきんダイヤルからねんきんあんしんダイヤルということで、トールフリーのフリーダイヤルを設けておるわけでございます。
大変国民の皆様に申しわけないんですけれども、現在、総呼数、呼び出し、コールの数でございますが、これが、当然のことながら非常に多数に上っておりまして、私どものこれに応答する件数というものが相対的に非常に少ない状況にございます。そういうことで大変御迷惑をおかけしているということで、我々、今必死になってこの応答の比率をもう少し上げたい、こういうことを考えてやっておるわけでございます。
その際、では、どういう人員をこれに投入できるかということでございますが、現在のところは、急場ということで、社会保険庁の現役職員をこれの応答に向けたりしておるわけでございますが、これに加えましてさらに増加をするということになりますと、どうしても外部の力をかりるということになります。
その外部の方々がこの分野にどのくらい通じているかということですけれども、これはできるだけ通じた方をお願いしたいということでやっておりますけれども、これもまた、ここのところにそう大きな期待をかけるということも実際上できないということです。
それともう一つは、ウィンドウマシンが動く時間というものはいずれ制約があるわけでございまして、この際には、いずれにしても、コールバック方式と申しますか、再びこちらからいろいろな形で御通知を申し上げ、それにお答えいただくという形をとらざるを得ません。したがって、その役割ということになりますと、これはある程度マニュアル等で対応できる、そういう面もあろうということで、わずかな研修ですぐそういうコールバック方式の記録、申し出者についての情報の記録といったようなことについてはそういう方々についてもお願いをするというようなことで……
○櫻田委員長 大臣、答弁は簡潔にお願いします。
○柳澤国務大臣 はい。
いろいろな意味で、できるだけレベルの高い方ということでございますが、今とにかく応答率を上げたいということで一生懸命やらせていただいております。
○櫻田委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、内山晃君の質疑はこれをもちまして終了いたします。
○内山委員 質問が残りましたので、この続きは後日またお尋ねをさせていただきます。ありがとうございました。