第171回国会 衆議院 厚生労働委員会 2009年4月8日
○田村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。
舛添大臣、お疲れのところ、一時間おつき合いをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず冒頭に、大臣にお尋ねをしたいことがございます。
雇用調整助成金、全国で百八十六万人の申請が出されている、どこのハローワークも大変な思いで処理をされているということをお聞きしております。私も、厚生労働省の担当者からこの雇用調整助成金に関してレクを受けまして、やはり多くの皆さんにこの内容を周知させていただきました。
せんだって、担当者にまた再度ちょっと確認をと思ってお電話を申し上げましたら、担当者が何と異動でいないんですね。何で、この雇用調整助成金、百八十六万人も申請が出ているこういう真っただ中に異動をされてしまうんだろうか。非常に優秀な担当者でして、各労働局に通知を出すとか提出書類の照合省略なんかを積極的にやっていた方なんですよ。
やはりこういう時期には人事異動、定例のといえば仕方がないかもしれませんけれども、少し配慮をするとか、そういったところが国民を向いた行政ということを考えれば行われてしかるべきだな、こう思うんですけれども、御所見をいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 指定職というか一定職以上の人事じゃないと私のところまで上ってこないものですから、そこまで完全に把握しておりませんでしたけれども、委員の御指摘を重く受けとめて、今後、人事政策をきちんとやりたいと思います。
○内山委員 続きまして、もう一問舛添大臣にお尋ねをします。
三月三十一日に、麻生総理は年金記録問題に関する関係閣僚会議で、記録確認が終わっていない、年金支払いに時間がかかるという問題は、来年一月に日本年金機構がスタートするまでには決着をつけておきたい、こう話されていますけれども、どのように決着をつけるのか、主管する担当大臣にどのような指示があったのか、お尋ねをしたいと思います。
○舛添国務大臣 これは、年金閣僚会議の席でも総理もおっしゃいましたけれども、やはり年金記録問題を一日も早く解決したい。
新しい組織ができるわけです。もちろん、それまでに全部は片づきません。さまざま残った問題もあります。しかし、例えば、ねんきん特別便、一億六百万人に送って、約七千万人に御回答をいただいて、そのうちの九割、つまり六千数百万人がもう自分は解決したとおっしゃっていただいている。これをさらに数値を高めていって、皆さんどうですか、年金記録問題はと言ったら、ほとんどの人が、いや、私はもう解決しましたというところまで持っていって、一区切りをつける。
そういう意味なので、人員も一万人体制にふやして全力を挙げてその目的を得るように、もちろん、だからといって新しい年金機構で一切記録問題をやらないんじゃなくて、残った問題はきちんと処理します。そういう方針でございます。
○内山委員 安倍前総理も、在任中といいますか三月までと大見えを切って、やはり失敗をしてしまったわけであります。一月にある程度決着をつける、これは私なんかが見ると相当不可能だろう、こういうふうに期日を設けること自体がさらにやはり混乱を招いてしまうのではなかろうかと本当に危惧をしておりまして、ぜひその辺はしっかりと国民を向いて仕事をしていただきたいな、こんなふうにお願いを申し上げます。
それでは、ねんきん定期便につきましてお尋ねをしたいと思います。
四月三日より送付が開始されましたねんきん定期便、国民年金と厚生年金の現役加入者七千万人に対してねんきん定期便が送付をされました。封筒はオレンジ色と水色の二色で、オレンジ色の封筒で届いた方は、記録に漏れや誤りがある可能性が高いとのことであります。水色の封筒で送付された方にも、オレンジ色と同等に記録漏れや誤りのある方もいると考えられますけれども、封筒の色違いで区分けした基準を説明していただきたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
ねんきん定期便の送付用封筒の色分け基準ということでございます。
今も委員の方から若干お話がございましたように、今月から送付を開始しておりますねんきん定期便、一定の注意喚起の書面を送付しているわけでございます。
それは、具体的には、一つは名寄せ特別便に回答なさっていない方、あるいは訂正なしということで御回答をされた方の中で、名寄せされた記録が特に御本人の記録ではないかと思われる可能性の高い方である場合、それからもう一つ、標準報酬の遡及訂正処理事案というものがございますけれども、これに一つでも条件として該当するものの延べ数が百四十四万ということになってございますが、この百四十四万件に該当する記録の持ち主、そういう方々に確認していただく必要があるということでお送りしているのが、注意を比較的引きやすいオレンジ色の封筒ということでございます。
水色はそれ以外の通常の方ということでございますけれども、今もお話ございましたように、水色の封筒であるからといって、これは誤りがないということには必ずしもならないわけでございまして、まずはお送りした標準報酬月額の記録をよく確認していただいて、そして、もし誤りがあれば、その旨を回答票の方に御記入の上、御返送いただくというようなことでお願いしている次第でございます。
○内山委員 ねんきん定期便の、今お話しいただきました標準報酬月額の月別状況の見方というところをお尋ねしたいと思います。
注意を要する記録、こう書かれておりまして、朱書きで印字された部分をどのように見たらいいのか。これは私も朱書きで書いてある現物を見ましたけれども、どうやら三パターンで書いてあるようでして、その三パターンが、どれがどのようなパターンになるのか、これは一般の方に読めといってもわからないんじゃなかろうかと非常に危惧しているんですけれども、わかりやすく説明をいただけますでしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
標準報酬の不適正な遡及訂正処理、これにかかわる条件は三つあるわけでございます。
一つは、標準報酬月額の引き下げ処理というものが行われた日あるいは翌日に資格喪失処理というものが行われているという条件、それから次が、五等級以上遡及して標準報酬月額が引き下げられているという形の条件、それから三つ目が、六カ月以上遡及して標準報酬月額が引き下げられているといった三つの条件、いずれかに一つでも該当する方については文書を同封しております。
それで、この三つの条件に従って見ればわかるような形になっているかというと、そこのところは必ずしも、一目でぱっと見て、そうか、自分はこれに該当するのかというような形にはなってございません。そこのところは、パターンによっては、例えば、資格喪失日のところが資格喪失というふうに一連の記録の中で書いてある部分が、月があります。その部分も朱書きであれば、これは今申し上げた中の一番目の条件ですね、標準報酬月額の引き下げ処理と同日もしくは翌日に資格喪失処理が行われている、こういうパターンだということはわかるんですが、それ以外のパターンについてはわかりにくいということ、これは事実でございます。
そこで、御案内した文書の方にも書いてあるのでございますけれども、表の上の部分に当たりますが、箱でくくった囲いの部分がございます。そこに、コールセンターまたは最寄りの社会保険事務所の方にお問い合わせをくださいというふうに御案内申し上げておりまして、具体的にどういうようなパターンでの遡及訂正の対象なのかというのは、大変恐縮ですが、そういう形でお問い合わせをいただくことで確認をしていただく、こういうことでお願いをしているところでございます。
○内山委員 ただいま御説明いただきましたけれども、私は、見本は手元にあるんですけれども、これは朱書きで書いてあるといっても、全然わからないですよ、全く。だから、これをいただいた方がすべて電話で相談をかけるとしたら、また膨大な相談受け付けが起こり得るんじゃなかろうか。
さらには、今、オレンジ色と水色ということで封筒を分けていますけれども、オレンジ色はこういう形で朱書きの、三つの条件、標準報酬月額の引き下げの処理と同時にもしくは翌日に資格喪失処理が行われている、標準報酬月額を遡及して五等級以上引き下げている、六カ月以上遡及して標準報酬を訂正している、この三つのパターンはこの部分では読み切れない。
かといって、水色の方の封筒で送られた方にはこういう朱書きの部分はないわけでありますから、この方たちがこの三つに該当しない範囲で自分の記録と正しくないものがあっても気がつかないんじゃなかろうか、こんなふうに危惧をしているわけですよ。
例えば、五等級未満、それから遡及六カ月未満というのは書かれないわけでありますから、そういう人たちに対してさらにこれは注意喚起をしなければ、この同封しているものでは全く読めない、そんなふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
そもそも、今回送付を始めましたねんきん定期便に盛り込んでおります、さまざまなお一人お一人の個人情報となる記録でございますけれども、一つ一つをきちんと理解して、そして御自分が御承知の自分のヒストリー、加入履歴、そういったものと突き合わせて正確に理解するというのは、通常の感覚でいえば、これはなかなか難しい方の部類の確認作業になるんだろうというふうに思います。
私ども、そういうようなことは一応前提とさせていただいた上で作業を進めておりまして、封筒に注意喚起の文書を入れたりすることで、あるいはリーフレットを入れることで十分だというふうには思っておりません。そういうような観点から、やはりさまざまな形で周知、広報をきちっと図っていくということが同時に必要なんだろうというふうに思っております。
例えば、先月の二十二日になりますけれども、政府広報ということで、新聞紙大の四ページ物の折り込み広告、これは三千万部以上でございますけれども、全国の御家庭の方に折り込みという形で入れさせてもらうとか、あるいは、もうお目になっているかと思いますけれども、報道機関においても、さまざまなところにいろいろアクセントを置いていただきながら御案内をちょうだいしているというようなことで、大変ありがたく思っているわけでございます。
そういうような政府広報等を通じた国民の皆様への御案内あるいは広報というのは、引き続ききちっとやっていく必要があるだろう。その中で、この封筒の意味とか、あるいはその中に入っているものを読むときの注意点、水色だからといって決して誤りがないということにはなりませんというようなことをきちんとお伝えしていきたいというふうに思っております。
○内山委員 ぜひ、水色の部分の記録、水色の封筒で送られた方にも誤りがあるということを強く記載して注意をしていただきたい、こうお願いを申し上げます。
それから、ねんきん定期便の中に、見込み額を書かれている欄があります。しかし、この年金見込み額、老齢年金の見込み額、記載されていない方も多くいると思われます。
それはなぜかといいますと、大臣の午前中のお話にもありましたけれども、合算対象期間というものを把握しておりませんから、空期間を使う場合には、年金の受給資格として役所の方では把握していない、だから年金額が記載されていない。ここで年金額が記載されていないという人は、なぜだろうとさらにやはり疑問を生じると思うんですね。
ぜひそこは、このねんきん定期便では年金の受給資格を判断していませんということをやはり強く注意を喚起すべきだと思います。いかがでしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、五十歳以上の方に向けてお送りしているねんきん定期便、こちらにございます年金見込み額の欄が空欄のケースがございます。
それは、一部繰り返しになりますけれども、まさに定期便を作成した時点において御加入なさっている制度に引き続き六十歳までその方が加入なさったとして、私どもの管理させていただいている年金記録、これからすると二十五年に満たないととらえられる場合には、そこのところの表示をしないということにしてございます。
しかしながら、その中には、御指摘のあったいわゆる空期間をお持ちの方とか、それから共済期間がある方とか、そういうことで、それらを加えれば受給資格期間を満たすという方は少なからずいらっしゃる、これは紛れもない事実なんだろうというふうに思います。したがって、そこに表示がされていない方すべてが一概に年金をお受け取りできないというようなことにはなっていない。それで、同封しておりますリーフレット、この中にその点についても説明をつけさせていただいています、御案内というふうに申し上げた方がいいと思うのでございますけれども。
つまり、もう委員も御承知のことでございますけれども、これらの期間がない方でも、受給資格期間が六十まで満たせないからといって、さらに延長措置がございますね、六十歳の方であれば六十五歳とか、それから七十歳とか、そういうような形で任意加入していただくことで加入期間が延び、それによって受給資格期間が満たされるということで、将来、年金をお受け取りいただける場合もあるものですから、見込み額の記載がない方については社会保険事務所などに御相談くださいということをリーフレットに記載させていただいているということでございます。
ここのところ、丁寧にやっていきたいと思います。
○内山委員 リーフを見せていただきました。率直に言ってわかりにくくて、一般の方は多分読めない、そんなふうに判断をしました。ですから、見込み額を書いていないのは年金受給資格を判定していないからだということを強くやはりもっと吹き出しに書くべきだと思います。ぜひそれは検討していただきたいなと思います。
それから、同じように、厚生年金基金に加入された方、年金基金に加入された年金額は、やはりこの見込み額に入っていないと思います。
私ども、年金の相談をしますと、社会保険事務所の年金見込額照会回答票というのをとりまして、初めて自分の年金額が幾らになるのかを見ますと、厚生年金の基金の加入が長い方は額の低さに大変驚くんですね。それはなぜかといいますと、社会保険事務所等から出てくる見込み年金額の中には、加入している基金の代行部分が入ってこないんですね。
今回のねんきん定期便の年金見込み額の欄にも恐らく代行部分が計算されてこないだろうと思うんですけれども、そこが入っていないということは、あの送られている書類を見ても判断できないんですよ。ここは、やはり基金加入分に関しての年金額は含まれていないということをもっと大きく注意を喚起すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
今の御指摘の点も、私ども、非常に重要かつその取り扱いに苦慮した点でございます。なぜ苦慮したのかといえば、これも委員御案内のように、厚生年金基金の加入期間がある方の年金でございますけれども、基金が国に代行して支払う額は、それぞれの基金独自の上乗せをあわせて支払うという形になっているわけでございますね。基金によって計算方法が異なっているということで、私ども、一律的に個々の基金における計算方法などを把握することがなかなかできないものですから、結局、社会保険庁ではこれはお示しできないということで、今回、そのような取り扱いをしたわけでございます。
それにかわる情報として、これもねんきん定期便のリーフレットに書かせていただいておりますけれども、基金の加入期間のある方の年金見込み額というのは、加入していた厚生年金基金あるいは企業年金連合会、こちらから支払われることになっていて、その部分は除いていますということをお断りさせていただいているということと、それから、お問い合わせ先は加入期間の長さに応じて基金あるいは企業年金連合会、こういうことになりますということの御案内をさせていただいているということであります。
○内山委員 今御説明がございましたけれども、厚生年金基金の代行部分というのは計算できるはずですよ、加算部分はできないとしても。だから、せめて代行部分を含めて計算の中に入れるとか、そういう努力が必要だと私は思いますけれどもね。
代行部分は社会保険事務所で計算して、厚生年金基金加入期間は厚生年金に加入していたものとみなして計算することは今のシステムでもできるはずです。ただ、加算部分に関しては、それぞれの厚生年金基金に問い合わせしなければわからない。だから、せめて代行部分だけでも入れておけばよかったんじゃないか、そんなふうに思うわけであります。
これから、七千万、五月雨式に出してくるんでしょうから、改善できるものは早急にやはり改善されていかないと、相談窓口が今だってパンクしているんじゃないんですか。ねんきん定期便のこの相談窓口、実はねんきん特別便の相談窓口と一緒じゃないですか、電話番号が。だから、私も何度かかけましたけれども、全くつながらない。これは一体どうなっているんですか。四月三日からやって、電話がつながらない、こういう状況になっていますよ。これからどういう増員体制、相談体制をしくんですか。答えてください。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
ねんきん定期便の専用ダイヤルというものを設置させていただいております。これは、十九年の十二月から送付を開始して、そして昨年十月末をもって送付を完了しているねんきん特別便に係る御相談に対応するための電話相談体制があったわけでございますが、これを引き継いでいるということでございます。しかし、引き継いでいるといいましても、今申し上げましたように、特別便に係る相談のピークはもうはるかに過ぎてございますので、現在、そういう形で引き継いでも、メーンはねんきん定期便に係る御照会が中心ということになるんだろうというふうに思っております。
それで、どのような体制を組んでいるかということなのでございますけれども、ねんきん特別便を送付したその時期における被保険者の皆様からの照会件数の実績、これを一つ参考にして、電話相談のいわばある一定期間における量というものを見込んで、そして定期便においてもそれに近い姿が、お問い合わせがあったとしても一定の幅で対応できるように体制を組むということで組んでおりまして、具体的には五百席の電話相談体制を組んでいるところでございます。
それで、直近のところの応答率をちょっと御報告しますと、四月の三日金曜日に送付を始めております。それで、休み明けのおととい、六日月曜日ですね、ここのところのコールセンターの応答率は四五・五%、それから昨日は五九・一%というふうな形になっております。
これは、先ほどもちょっと触れましたけれども、各方面において広報をしていただいているということで、一定程度の御関心もある、それから内容についていろいろ確認したいこともある、こういうようなことでのお問い合わせかと思いますが、こういう状態がずっと続くというふうには思っておりませんで、大体週に二回、コンスタントに分散させながら発送していきますので、私どもの見込みとしては、全体、最終的に特別便の場合には九〇%を超えるような応答率になったわけでございますけれども、それに近い状態で今後推移していくのではないかというふうに思っています。
○内山委員 このねんきん定期便に同封した「あなた様の年金加入記録に結び付く可能性のある記録のお知らせ」についてお尋ねをしたいと思います。
年金制度に加入した期間のみで、勤務していた会社名が書かれていないんですよ、記録だけで。なぜ会社名を書かないんですか。ぜひそれをお尋ねしたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
結びつく可能性のある記録の情報をどういう形で提示申し上げるか、ここのところはいろいろな考え方があるんだろうとは思います。
今御指摘があったのは、厚生年金については事業所名、国民年金であれば市町村名をお知らせすべきなんじゃないのか、こういうことかと思います。
そのことについては、一つは、お知らせをお送りする相手というのは現役加入者の方々でいらっしゃいまして、結びつく可能性がある記録も比較的新しいものでございます。そういうことで、記憶を喚起しやすい方々というふうに申し上げてよろしいのではないかというのが一点。
それからもう一つ、情報の提供は、同時並行的に、電話とかあるいは社会保険事務所などにおけるフェース・ツー・フェースでの相談、そういうところでも具体的にやっております、結びつく可能性の記録というのはこうですよと。そのときに、今お話があった事業所名とか市町村名をお伝えしております。そういうことで、代替の手段は、電話という簡便な方法も含めて、ございます。
それから三つ目に、事業所名まで表示をするとなりますと、やや技術的な話になりますけれども、プログラム開発というのを改めてしなければいけないということになりまして、そうすると、やはり開発のための作業に一定期間要する。
これらのような事情から、お知らせについては事業所名などを記載することはしなかったということで御理解願いたいというふうに思っております。
○内山委員 ねんきん特別便、名寄せ特別便のときでも、事業所名を最初書かなかったわけですよね。それでなかなか注意が喚起できずに、自分の記録を送られたにもかかわらず、自分のではない、確認できず。また、当初は、社会保険事務所の年金相談の窓口に行っても、勤めていた記録、会社名等は教えなかった。それで、かなりやはり二度手間、三度手間になったケースがあったわけじゃないですか。
せっかくねんきん定期便で送るのに当たって、どのくらいそのプログラム開発とか費用がかかるかわかりませんけれども、ここで会社名があれば一回で済むものを、さらに、これで自分の記録ではないという形で、訂正なしの方にも送るわけでしょう、回答していない方にも送るわけでしょう、そうしたら、そこで自分の記録ではないと気がつくチャンスを失ってしまうじゃないですか。やはり会社名を書くべきなんですよ。そうしなければ、送った意味がないじゃないですか。
これは、どのくらい費用がかかるか後で教えていただきたいと思いますけれども、名寄せ特別便の一千三十万人のうち、未回答は二百八十九万人、訂正なしの回答のはがきを送った方は二百六十六万人、合計で五百五十五万人。名寄せ特別便というのは、五千万件の宙に浮いた年金記録から、コンピューターで管理、検索し、基礎年金番号と結びつく可能性の高い、九九・九%みたいな方に送付したわけじゃないですか。にもかかわらず、五四%の人が年金記録の訂正に至っていないわけでして、こういうことをやっていると、またその二の舞になるんじゃないかと非常に危惧するわけでありますよ。
今後出すのに当たって、会社名を書くというのができないんですか。どうなんでしょうか。
○石井政府参考人 お答えいたします。
ここはやはり、これが受給者であれば、受給者も年齢の幅がずっとあって、相当御高齢の方もいらっしゃいますし、記憶が薄らいでいる、あるいはない状態から思い出していただく、そのよすがとして具体的な名称を入れるというのは必須かと思います。
けれども、繰り返しになって大変恐縮ですけれども、基本的には、六十歳までの方、今の五十代、六十代というのは、こう言ってはなんですが、かつての同じ年齢の方々よりははるかに記憶の点でも、こういう比較はあれですけれども、悪いということはない。生理的な年齢そのものも、かつての同じ年齢の方に比べればいいコンディションのもとにあるんじゃないかというふうに思うわけですね。何しろ年齢よりも若い、そういう状態にある方が、五十代、六十代にいらっしゃいます。六十代はあれですけれども、五十代、四十代はいらっしゃいます。
そこら辺のことを考えますと、お問い合わせをいただければ情報を提供させていただくという手段も別途講じておりますし、それから、何も情報を提供しないわけじゃなくて、加入制度、その制度に加入した年月、それから加入しなくなった年月、要するにここまでの情報は御提供申し上げておりますので、やはり、定期便に添付しております注意喚起文書もお読みいただければ、これは何かがあるということはおわかりいただけるはずなので、そこのところは、恐縮でございますけれども、プログラム開発というようなことで対応するよりは、直截にお尋ねをいただくというようなことで対応していきたい、また、そういうようなことで対応させていただいているんだということをきちっと広報していきたいというふうに思っております。
○内山委員 それは注意深く見せていただこうと思います。
名寄せ特別便、全員特別便を一億九百万人に送付した状況で、平成二十一年一月三十一日の数字で申し上げますと、未到達が二百八十万人いるわけですね。住所が不明だということで届かなかった。こういう届かなかった人に、今後どういうフォローアップをするのか、それをお尋ねしたいと思います。
○石井政府参考人 お答えいたします。
ねんきん特別便をお送りして、その到達しなかった約二百八十万人の方々に対する対応でございますけれども、基本的には、そのような方々については、お届けいただいている住所が正しいものでないということが原因で、住所不明で戻ってきているというふうに思っております。そういう方にありましても、やはり早急に特別便をお届けして確認をしていただく必要がありますので、いろいろその取り組みをやってまいりました。
順々に申し上げると、まず一つは、住所変更届というものをいただいているんじゃないだろうか、それと行き違いになったんじゃないだろうか、そういうような観点から、戻ってきた方に関して、それまでの間に住所変更届の有無をまず確認いたします。お届けいただいている場合には、当然のことながら新しい住所に速やかに再送付する。
それから次に、そういった変更届をいただいていないというケースがございますけれども、これは社会保険事務所において、住基ネット情報を活用する、あるいは市町村、事業主の御協力を得ていわば住所の調査をさせていただくということで、把握できた場合には新住所に送付するというようなことをやっております。
並行して、住所が変わったらできるだけ早くお届けくださいということを政府広報でおととしの秋からずっと続けておりますけれども、引き続き、その広報も初めとして、さまざまな方法でお届けをしていただくことの大事さの広報をしていきたいというふうに思っております。
○内山委員 同じく、全員特別便の、加入者六千四百四十八万人の人たちに対して未到達が二百二十二万人おられるわけですね。この二百二十二万人に対しては、今回のねんきん定期便も届かないわけじゃないですか。これはどういうふうに対応するんですか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
この方々につきましても、今るる申し上げましたけれども、基本的には同じような方法で丁寧に、まずは、今現在の住所がどういうふうになっているのか、そこのところの調査をきちんとするということをやって、それで把握した新住所にお送りするということで対応するということかというふうに思っております。
○内山委員 その処理の仕方によっては、ねんきん定期便が、住所が不透明な方には届くのが大分おくれる、または届かないということになるわけでありますね。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
ねんきん特別便のときもそうでございましたけれども、何らかの理由で特別便が届いていない方というのはいらっしゃるはずでございます。そういう方々に向けては、特別便が届いていなければどうぞ御連絡をくださいということを、昨年の十月以降ですけれども、ずっとやってきております。それと同様のことをこのねんきん定期便についてもやるのが一策かというふうに思います。
つまり、御案内のように、この四月から、毎誕生月ごとにお送りするわけですね。ですから、四月生まれの方が、六月になっても七月になっても定期便が来ないということは、やはり何かトラブルがあったというふうに考えていただくべきだと思います。
私どもの方も、そういうことがないようにいろいろ注意していきたいと思っておりますけれども、仮にそういうようなケースが発生した場合においては、やはり社会保険事務所なりに御連絡をいただくというようなことも、あわせていろいろお伝えしていくということが一策かと思います。
○内山委員 二百二十二万人もいらっしゃいますので、それはもう本当に全力を挙げて進めていただきたいな、こうお願い申し上げます。
同じく、今度、ねんきん定期便ではなく、年金受給者の方にはお知らせというものを年内に送付するようでありますけれども、厚生年金と国民年金の受給者にはどういうものをお送りするのか、お尋ねをしたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
受給者の皆様に、それぞれの方の年金支給の基礎になっている年金情報の中の標準報酬の記録を送付する、時期としては本年中に送付を開始する、こういうお約束をしているわけでございますけれども、中身についてはまだ具体的に固めてございませんで、どのような形で整理するのがいいのか、なお検討中ということでございます。
○内山委員 先ほどは、加入者に関しては会社名を書かないと。だけれども、今度は受給者に対しても記録を送るわけですよね。そうすると、会社名は受給者にも書かないんですか。標準報酬を訂正されている受給者の方は当然いらっしゃいますよね。どうでしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
現役の加入者については、先ほど申し上げたようなことを勘案いたしまして、事業所名などを記載するということはしていない、そういう形での記録の御提供になっているわけでございますが、受給者の皆様ということになると、これは事情がやはり違うんだろう。
先ほど申し上げたように、相当御高齢の方も送付の対象になってまいりますので、したがって、記憶を喚起していただきやすいような形という観点から申し上げれば、私どもが持っているそういった事業所名などの情報、これはむしろ御提供申し上げる方向で取り組むのが基本ではないかというふうに思っておりますが、現在なお詰めているところでございます。
○内山委員 ぜひそこはわかりやすいものを明記していただきたいな、こうお願い申し上げます。
それでは、日本年金機構の件に関して二点ほどお尋ねをしたいと思うんです。
来年一月から日本年金機構がスタートいたします。社会保険庁解体になりまして余剰となる職員の再就職あっせんというのは今どうなっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○薄井政府参考人 お答え申し上げます。
日本年金機構設立時の職員の採用につきましては、民間の有識者より成ります職員採用審査会の意見を聞いて、設立委員会の方で採否を決定する、こういうことになっております。現在、職員採用審査会の方でその審査が進められているところでございます。
この審査の結果、機構に採用されないこととなる職員が出ますれば、それにつきましては、昨年七月に閣議決定をいたしました日本年金機構の基本計画に基づきまして、退職勧奨なり、あるいは厚生労働省への配置転換、官民人材交流センターの活用などによりまして、分限免職の回避に向けましてできる限りの取り組みをしてまいりたいと考えているところでございます。
○内山委員 続きまして、日本年金機構の年金相談業務というのは社会保険労務士会に委託をするというようなことが言われておりますけれども、現在、社会保険事務所で年金相談を要請されて派遣をされている社会保険労務士会の話を聞きますと、なかなかなり手がいないんだということなんですね。
それはなぜかといいますと、極めて報酬が低い。年金記録確認第三者委員会のお手伝いをしている方と報酬の開きが物すごくありまして、これからねんきん定期便の相談、さらには特別便のまだまだ積み残しをしている部分、こういったものを考えますと、国民に大変重要な年金相談業務を行う人たちに対してそういう低い報酬でいいのか、そんな思いを持っているんですけれども、いかがでしょうか。
○薄井政府参考人 お答え申し上げます。
現在、全国五十一カ所に設置されております年金相談センターでございますけれども、日本年金機構の基本計画におきまして、これは外部委託を行うということと整理をされているところでございます。
その委託条件等につきましては今後決定をしていくことになるわけでございますけれども、委託先におきまして的確な年金相談ができるように、委託条件等につきましても、予算面の制約もある中ではございますけれども、今後よく検討してまいりたいと考えているところでございます。
○内山委員 それでは、国庫負担割合二分の一の質問をさせていただきたいな、こう思っております。
家計消費の二割が年金の地域もありまして、マクロ経済に占める年金の割合というのはとても大きいわけであります。高齢者世帯所得の七割が年金で占められ、高齢者世帯の六割が年金しか収入がない、こういう生活をしているところもあるわけでありまして、今回、基礎年金国庫負担割合が二分の一になりますと年金財政がどのようになるのか、国庫負担を二分の一に引き上げる意味というのは何なのかということをお尋ねしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
今回の国庫負担の二分の一への引き上げというのは、年金財政の長期の安定のためにどうしても欠かすことのできない、非常に大きな役割を果たすものだというふうに理解をしております。
御承知のとおり、平成十六年の年金制度改正においては四つの柱がございました。一つは、毎年保険料の上昇をお願いするけれども、将来は上限を固定します。それから、その範囲内でやれるように、給付水準を自動的に調整する特別の仕組みを導入します。それから、従来は積立金はそのままという原則でございましたが、積立金を活用して給付に充てますという三つの原則に加えて、国として基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上げを行って長期的な財政均衡を図ろうというものであり、結果として、現役世代の負担を過重なものとしないというものでございます。
これは、本来は恒久財源を持ってきちっとやるということだとは思いますが、二十一年度からしっかり二分の一にしていかなければ年金財政が非常に将来に向けて安心なものとならないという認識に立ち、二十一年度からの二分の一は国民に対する約束であるという位置づけのもと行っておるものでございます。
今御審議をいただいているわけでございますが、仮にこれが成就しないということでそのまま推移いたしますと、参考までに今回の財政検証の際に試算をいたしましたところ、基礎年金はあと十八年で給付ができなくなる部分が発生するということでございますので、将来の安定のために、ぜひ二分の一の国庫負担というこの提案を実現させていただきたいというふうに思っております。
○内山委員 国庫負担割合が二分の一ということで大きく構えますと、これで社会保険方式なのかと。基礎年金の半分を税方式で、残り半分を社会保険方式に変換をしたのか、こうもとらえるわけでありますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○渡辺政府参考人 我が国の年金制度は、長い歴史の中ですが、自立自助の精神のもとに、そして支え合いの仕組みに参加することというのを大変重要視しておりまして、拠出方式、つまり社会保険方式を基礎としておるわけでございます。
今回の二分の一の措置、基礎年金についてでございますが、そうした参加して拠出をするという社会保険の世代間の支え合いの部分と、それから受給者も含めて全国民がこの制度を国としてしっかり下支えするために税で負担するという面が一対一の関係になるわけでございます。
社会保険方式というものの原点は、やはり参加して拠出することによってその実績が給付に反映されるというものであると思いますので、一対一の関係で運営していく中で、この社会保険方式のメリットあるいは必要な特性というものは発揮されるものと考えております。
○内山委員 平成十六年改正によります年金財政の確立のため、所要の安定財源を確保する税制抜本改革を行った上で基礎年金国庫負担割合を二分の一に引き上げるとしていました。今回、財源は財投特会を二年間使用するということで、十六年改正法附則に反しないのか、こんなふうに疑問を持っているんですけれども、答弁を求めます。
○渡辺政府参考人 先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、今般、二十一年度から国庫負担を二分の一にするということが年金制度の持続可能性を確保する観点で極めて重要であるというふうに考えたための措置でございます。恒久財源が得られるまでこれを先送りするという判断はとらなかったわけでございます。
しかしながら、本来、御指摘のとおり、十六年改正の際には、恐らく立法者の意思といたしましては、十九年度あるいは二十年度に税制の抜本改革が行われるであろう、したがって、二十一年度は四月から満年度でそうした税収というものを利用できるだろうという想定のもとであったと私どもも理解しておりますが、残念ながら、経済の情勢あるいは財政の状況等々の中で、十九年度、二十年度という税制の抜本改革は、現時点ではできていないわけでございます。
その意味で、中期プログラムを定め、二〇一一年度に向けて景気を回復するよう全力を尽くし、経済状況を好転させることを前提にして、遅滞なく税制抜本改革を実施し、二分の一を恒久化できる安定財源を確保していくということを明らかにした上で、所得税法等改正それから財源確保法とあわせて、三つの法律一体として、今回、国会に提案させていただいたわけでございます。
そうした大きな枠組みの中で、あえて十六年改正法の定めるところを、今回、一部改正法という形で書きかえさせていただいて、二十一年度、二十二年度においては、二分の一は実現するが、臨時の財源、それを法律上、財政投融資特会の一般会計への繰り入れということで確保いたしまして実現を図っていくということにしたものでございますので、必要に応じたぎりぎりの政策判断として御理解賜りたいと思います。
○内山委員 御丁寧に御説明をいただきましたけれども、これから聞こうとするところも答えていただきましたようです。
単純な質問をいたします。財投特会は安定財源なのでしょうか。
○渡辺政府参考人 先ほどもちょっと触れたかもしれませんが、位置づけとしては、私ども、臨時の財源という位置づけでおります。
○内山委員 安定財源ではないですよね、臨時の財源ですから。ここはやはり、十六年改正法附則の部分に反しているんだろうと僕は思うわけであります。
さらには、十六年改正法の附則に明記され、これまで安定財源による国庫負担二分の一の恒久化をしてこなかった政府の責任というのは大きいんじゃないかと思うんですよ。定率減税廃止による増収分を国庫負担二分の一の財源にすべきではなかったんでしょうか。どうでしょうか。
○渡辺政府参考人 今御指摘の点でございますが、十六年度改正の際に、十六年度において、三分の一国庫負担に加えて、年金課税の見直しの当該年度分でございますが、二百七十二億を法律上明記して、追加国庫負担としたところでございます。
この状態で、当時の十六年度の財政再計算というものを行い、今日に来ているわけでございますが、十六年改正法では、御承知のとおり、訓示規定ではございますが、平成十七年度、十八年度において段階的な引き上げを行うよう努めることとされておりました。そのことと、加えてさらに平成十九年度においても、国庫負担の引き上げを行うという措置を講じてまいりました。ここの部分は、今御指摘いただいたような定率減税の見直しの財源もあるということで、一定程度の引き上げを図ってまいりました。
結果といたしまして、約三三・三%であったもともとの国庫負担割合が、現在は約三六・五%にまで引き上げられてきたという経緯でございまして、法律の定めるところにより、努力分も含めて逐次国庫負担を引き上げてまいりましたが、現状ではまだ二分の一に遠いところでございまして、この二十一年度以降につきましては、臨時の財源をもってしても、しっかり二分の一を実現してまいりたいという形で案をまとめたわけでございます。
○内山委員 まあ、厚労省の皆さんは手足を縛られてやっているようなものですから。保険料も水準固定、それから所得代替率も決まっていますから、なかなかやりようがないというのは事実でありまして、やはりここに政治が大きく関与しなければならないなと。
定額給付金は二兆円使うわけでありまして、道路千円乗り放題は五千億使うわけであります。こういったものを合わせれば二兆五千億。さらには道路特定財源、十年間で五十九兆を使う。こういったお金が年金財源に回せないんだろうか、こう思うわけでありまして、やはり政治が変わらなければよくならないんだなと強く思うわけであります。
お配りした資料で、ちょっと時間が来てしまいましたので、そちらの方を先に行いたいと思います。
皆さんのところに、「在職者にかかる厚生年金保険の老齢給付の状況」という資料をお配りいたしました。これはどういう資料かといいますと、在職老齢年金の仕組みで支給停止になっている年金額の総額、十九年度分で一兆六百八十八億円になっている、こういう意味なんです。
この金額、在職老齢年金の支給停止にならなければ六十歳以上の国民に支給され、所得税も納めたでしょう、地方税も納めたでしょう、老後の安心した資金づくりにも回るでしょう、消費にも回って経済の活性化に使えるお金ではなかろうか。他方、支給停止によりまして年金財政に寄与しているということも理解はできますけれども、どちらの方が国のため、国民のためになるんだろうか。
私も、年金相談を六千人ほど受けさせていただきまして、非常にやはり、就労可能年齢なんですね、六十五歳までというのは。ここに在職老齢年金というような仕組みがありますから、せっかく働ける人が年金が減額になってしまう。そういう意味で、労働力不足なんというのも他方言われているわけでありまして、六十五歳まではどんどん働いてもらって、年金は老後のためにそのままカットせずに支給をする。諸外国でも在老という仕組みを持っていないところもあるわけですから、やるべきじゃないかと常日ごろから非常に疑問を持っておったわけでありますけれども、大臣、どうでしょうか。所感で結構です。
○舛添国務大臣 私の個人の所感ということで、これが今から厚生労働行政や年金行政を縛るものではないということを申し上げた上で、申し上げます。
私も非常に委員の御所見に賛成でありまして、私が昨年後半に六十になりました。仲間がたくさんいます。団塊の世代です。みんな働きたい。しかし、最大の問題は、働くと年金がもらえなくなる。では、年金をもらえるぎりぎりしか働かない。そうすると、これは人的資源の無駄遣いになる。それから、やはり外で働いている方が病気になったりしないですし、健康も保てる。そして、皆さんそれぞれに家庭の事情がありますから、それは資金に余裕があった方がいい。ですから、これは私は真剣にプラスマイナスを検討すべき時期に来ていると思いますので、少しやってみたいと思います。
ただ、そのときの問題は、おっしゃったように財源問題。これで年金財源一兆円どうするのかね、そのときに説得できるだけの反論ができるか。
一つは、世代間の公平ということで、年とった世代がたくさん稼いでいるのに、若者は保険料ふえるのかねということにならないようにするためには、今委員がおっしゃったように、それが消費に向かう、所得税は総合課税しますから所得税に向かう、そして結局、国庫の中に入っていって、それが国庫負担二分の一を支えるということになれば、その分だけ負担をふやさなくて済む。これは世代間戦争にならない。
若い世代の負担にならない形で国庫で面倒を見て、最終的には、今言ったように一石三鳥にもなるわけですから、国の富を増すんだという計算ができれば、私は政治的判断はやっていいと思いますので、真剣にちょっと検討させていただきたいと思います。
○内山委員 この次、ちょっと実務的なことでお尋ねをします。
在職老齢年金の支給停止の仕組みというのは、年金をもらえる方が社会保険に加入して働くと支給停止になります。しかし、社会保険の加入がない事業所に勤めますと、これは幾ら稼いでも支給停止にならない。これはなぜかということをお尋ねしたいと思います。
○渡辺政府参考人 ある意味で釈迦に説法なのかもしれませんが、厚生年金保険の適用事業所に働いている方の話では、おっしゃるように、こういう制度が働く。そうでない方の場合はどうかというと、この制度がそもそもでき上がってきた経緯からすると、働いていると年金は出さないというところからスタートしているものでございますから、一定の条件のもとで、こういうときには年金は出します、しかし、それは調整させてください、その財源はきっと若い人たちが負担をすることになりますのでということで、限定的に始められて今日まで来ているという制度のこれまでの経緯ということを申し上げたいと思います。
○内山委員 大臣も先ほど検討をされると話しましたけれども、片や社会保険の適用がある事業所に勤めると減額がある、しかし、同じような報酬をもらっても、社会保険の適用がないところに勤めれば減額にならない、これは非常に不公平ですよね。この不公平な仕組みがやはり生きているわけですよ。
再就職をするときによく聞かれるんです、給料を幾らもらったら年金減額になるんですかと。幾らもらったらじゃなくて、社会保険の適用のあるところに勤めれば、仮に十万円だって減額になる可能性がありますよ。だけれども、社会保険の適用がないところだったら、それこそ百万円もらっても減額にならない。ここは非常におかしいと思っています。だから、ここも今の時代に合わせて、やはり、在老という仕組みを取っ払ってしまえば社会保険の適用のない会社にお勤めになるのと同じことだと思いますので、ぜひともそれは労働力の人的資源の活用ということも考えて検討をしていただきたいな、こんなふうに思っております。
きょう、二分の一国庫負担の質問をさらにつくってきたんですけれども、時間が来ておりますので次回に回したいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございました。